成年後見人等には、本人を守るためにどのような権限がありますか?

Q
認知症や知的・精神障害により判断能力が不十分な人たちが、適切な介護サービス等を受けるため必要な契約を結ぶことができなかったり、不適切な高額な買い物をしてしまった場合、成年後見人等は、本人をどのように守っていくのですか?
A

家庭裁判所の後見開始等の審判が確定し、成年後見人等として選定された後は、代理権と同意権・取消権という権限を有することになります。認知症や知的・精神障害により判断能力が不十分な人たちが、その人らしく生活していく援助をするため、本人の意思を代弁したり、本人のなすべき法律行為(介護サービスを受けたり、施設に入所したり、必要なものを買ったり等の約束をすること)を本人に代わって実施するための権限です。

成年後見人には、財産に関するすべての法律行為(保佐人・補助人には、申立の範囲内で家庭裁判所が定める特定の法律行為)に代理権が付与されますし、日常生活に関する行為以外の行為(保佐人には民法13条1項所定の行為、補助人には申立の範囲内で家庭裁判所が定める特定の法律行為)に同意権と同意なしでした行為の取消権が付与されます。また、本人のために、医療・介護・リハビリ等に関する契約もします。

民法13条1項に定める行為

(1)貸金の元本の返済を受けること。
(2)金銭を借り入れたり、保証人になること。
(3)不動産をはじめとする重要な財産について、手に入れたり、手放したりすること。
(4)民事訴訟で原告となる訴訟行為をすること。
(5)贈与すること、和解・仲裁契約をすること。
(6)相続の承認・放棄をしたり、遺産分割をすること。
(7)贈与・寄贈を拒絶したり、不利な条件がついた贈与や寄贈を受けること。
(8)新築・改築・増築や大修繕をすること。
(9)一定の期間を超える賃貸借契約をすること。

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【問合わせ】市成年後見センター(市社会福祉協議会内)
      電話番号 0942-30-2732